fc2ブログ

wine&dine

プロフィール

うづらてい

Author:うづらてい
京都木屋町のワインダイニングです。

最新記事
カテゴリ

「 京鴨ロースのロースト & モンテリー シュール ラ ヴェル 」

イメージ・縦

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ

MONTELIE SUR LA VELLE ’15 (Ch de Monntelie) \ 2,000
モンテリー シュール ラ ヴェル (シャトー ド モンテリー)

ブルゴーニュらしいモザイク瓦の屋根を持つ瀟洒な城館、シャトー・ド・モンテリー。1722年にモンテリーの領地を手に入れたフランソワ・フロマジョの娘と、その夫、フランソワ・ブリュネ・ダントゥイユによって1746年に建てられました。それから160年近く後の1903年に、この城館を相続したのがアルベール・ド・シュルマン。現当主、エリック・ド・シュルマンの曽祖父にあたります。エリックの母がピュリニー・モンラッシェのルフレーヴ家出身なことから、日本には故アンヌ・クロード・ルフレーヴによるネゴシアンブランド「CLAC」の1アイテムとして一足先に紹介されたドメーヌ・エリック・ド・シュルマン。お膝元のモンテリーに5.5ヘクタール、コート・シャロネーズのリュリーに5ヘクタールのブドウ畑を所有しています。アンヌ・クロードの親類だけに、ブドウ栽培は96年からビオディナミ。2000年に申請し、2003年にエコセール=ABの認証を取得しました。
白ワインの醸造では、シャンパーニュのものと同型の木製垂直式圧搾機によるプレスが特徴。空気圧式を使用していた時期もありましたが、思い通りのコントロールが出来ず、ゆっくり優しく搾汁可能な垂直式を2000年から再度導入したと言います。
赤ワインの醸造も伝統的で、木製発酵槽にこだわります。その理由はステンレスタンクやコンクリートタンクと比べ、自生酵母が住みつきやすいためで、市販の培養酵母に頼る必要はまったくないという事です。原則的に完全除梗ですが、ヴィンテージによっては最大30パーセントまで全房。発酵が始まったら日に2回のピジャージュをするのみです。熟成には近年、35~70ヘクトリットルの大樽を導入し、一部を大樽、一部を小樽で熟成させています。樽熟成期間は白で15ヶ月、赤で18~20ヶ月と比較的長いです。出来上がる赤ワインはモンテリーらしいチャーミングな果実味に、緻密なタンニンとピュアな酸味を伴います。今月おすすめの「一級畑・シュール ラ ヴェル」は、赤い果実の第一アロマはやや控えめですが、将来有望。「8年間」の時を経た、この「’15」は、絹のようなタンニンで滑らかな口当たり。リッチさとバランスの良さが、素晴らしい長熟ワインであることを期待させます。
今月のマリアージュのお相手には「京鴨ロースのロースト ブラッドオレンジのビガラードソース」をおすすめします。京都は「天橋立」の近く、与謝野町の飼育鴨のロース肉をゆっくりとローストして「コロ切り」にした物に、ブラッドオレンジにガストリックベースのフォン ド ヴォー、ブルゴーニュワインを合わせて詰めた「ビガラードソース」でお召し上がり頂きます。熟成感のある「ピノ・ノワール」と甘酸っぱくスパイシーな仕上がりのソースが「京鴨」のジューシーさをより一層引き立ててくれる事でしょう。

(2023.7.01[SAT})

「 オセアニア産仔羊肉のソテー & エコー ド ランシュ バージュ 」

イメージ・縦

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ

ECHO DE LYNCH BAGES '16 ( Pauillac ) \ 2,300
エコー ド ランシュ バージュ ’16 ( ポイヤック )

格付けこそ5級とされていますが、現在では“2級の品質に相当する”という高い評価を受けているのがシャトー・ランシュ・バージュです。 かってはドメーヌ・ド・バージュと呼ばれていたこのシャトーは、1749年から1824年は、アイルランドから移住してきたリンチ家が所有し、シャトー・ランシュ・バージュと呼ばれるようになりました。
1934年からはカーズ家が受け継ぎ、現在はジャン・ミッシェル・カーズがオーナーとなっています。
その高評価は決して最近に始まったことではありあません。“バージュの丘”と呼ばれるポイヤックでも最良のブドウが採れる土地に畑があり、出来の良いカベルネ・ソーヴィニヨンが収穫されることは古くから知られていました。
- 90ヘクタールにわたって広がる畑は、ポイヤック村のジロンド川に沿った砂利質の土壌で、これがワインに複雑味を与えています。また、ジロンド川のそばに位置していることで春の遅霜の被害が少なく、これら恵まれた立地条件がワインの品質を安定させています。
ランシュ・バージュはその品質の高さから、1級のシャトーに匹敵するとの評価をつねに受けています。メドック格付け第5級にもかかわらず、「2級の品質に相当する」という高い評価を得ているシャトー・ランシュ・バージュが手掛けるセカンドラベルがエコー・ド・ランシュ・バージュです。ファーストラベルとの違いはブドウの樹齢が若い点、メルローとカベルネ・フランの比率がわずかに高い点だけで、ファーストラベルと全く同じ製法で造られます。
若樹のブドウを使用しているため、フルーツやスパイスの香りがより強調されているのが特徴で、生産量はランシュ・バージュの20~30%という、とても稀少なワインです。深みがかったルビーの色調。カシスやブルーベリーなどの果実のアロマに、スミレやハーブ、インクのような複雑なニュアンスが溶け込みます。濃密な果実味と滑らかなタンニンが調和した親しみやすい味わいで早くから愉しめる仕上がりです。
今月のマリアージュのお相手には「オセアニア産 仔羊のソテー バルサミコ風味のマデラソース」おすすめします。オーストラリア産のロース肉とニュージーランド産のフィレ肉を軽くソテーして、オーブンで「ロゼ色」に仕上げて、フォンドヴォー、マデラワインで味を調えたソースにバルサミコを風味に加えてみました・・・ポイヤックの上質なカベルネソービニヨンの酸味にしっかりとした酒質が相まって、極上のマリアージュを醸し出してくれるでしょう。

(2023.6.01[THU])

「 ブルターニュ産仔牛フィレ肉 & アンジュールージュ・カベルネ フラン 」

イメージ・縦

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ

ANJOU ROUGE Cabernet Franc '16 ( Clau de Nel ) \ 1,800
アンジュー ルージュ カベルネ フラン ‘16 ( クロー ド ネル )

クロー・ド・ネルはもともと、2000年代の初めにブルゴーニュ出身のカップル、ネリーとクロードのピシャール夫妻がアンジューに起こしたドメーヌです。土地のテロワールは申し分なく、ふたりの情熱も熱かったのですが、残念ながら経済的に恵まれませんでした。2006年はワインが廃棄となり、2007年はウドン粉病にかかって収穫はゼロ。この窮状に手を差し伸べたのがピュリニー・モンラッシェの大御所、ドメーヌ・ルフレーヴのアンヌ・クロード・ルフレーヴです。
志しを同じくしながら知名度が低いため、販売面で苦戦する造り手を救済しようと「CLAC」というネゴスを立ち上げたアンヌ・クロード。クロー・ド・ネルもその仲間の一員でしたがついに経営破綻し、2008年5月、彼女がこのドメーヌを買い取ることになりました。アンヌ・クロードによる取得後もクロード・ピシャールはドメーヌに雇われていましたが、新しい道を見つけて旅立つことが決まり、2009年、クロー・ド・ネルの支配人としてシルヴァン・ポタンが着任しました。チリのクロ・ウヴェールというワイナリーでアシスタント・ワインメーカーをしていた人物です。
ドメーヌは当初、7haの1枚畑でスタートし、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、グロローをビオディナミ農法で栽培。さらに買収後、2.5haほどシュナン・ブランの畑が増やされました(1haは賃貸耕作で1haは2013年に植え付けたばかり)。現在、リリースされているワインは次の3種類。カベルネ・フラン100%のアンジューAC、カベルネ・フラン70%とカベルネ・ソーヴィニヨン30%をアッサンブラージュした「キュヴェ・ヴィオレット」(アンジューAC)、それに樹齢60〜90年という超古木のグロローから造られるヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァル・ド・ロワールです。
いずれも収量が少なく、2011年ヴィンテージで25〜30hl/ha。2010年は10hl/haという超低収量でした。
醸造は完全除梗のうえ、ステンレスタンク、または木桶を用いてアルコール発酵。もちろん自生酵母による自然発酵です。ピジャージュもルモンタージュも控えめに行い、むしろ果帽を果汁の中に優しく漬け込むことで抽出を得ます。
その後、10〜14ヶ月の樽熟成。新樽は使わず、ドメーヌ・ルフレーヴで4〜5年使われた古樽を用いています。
ワインをグラスに注いだ瞬間、その深い色調に目を剥くかもしれません。ピジャージュもルモンタージュもほとんどしていないというのが訝られるほどの濃厚さです。いかに凝縮度の高いブドウが収穫されているかがわかろうというものです。
今月のマリアージュのお相手には、土地を同じく「ブルターニュ産仔牛フィレ肉のパン粉付け焼き トマトソース」をおすすめします。柔らかい仔牛肉、それも希少な「フィレ肉」を丸く整形してパン粉とタイムの衣でまといオリーブオイルとこれも又、ブルターニュの「ルガールバター」できつね色にソテーして、トマトとエシャロットをベースにした「トマトフォンデュ」に「フォン ド ヴォー」を少量加えた「濃い目のトマトソース」でお召し上がり頂きます。付け合わせはシンプルに「ヌイユ」のクリームチーズ風味をお添えします。北の産地のカベルネ・フラン、現地では「ブルトン」の別称、エッジに紫を帯びた深い色調で香りは完熟したラズベリーやブルーベリーに、土っぽいニュアンスがあり、ボディがしっかりとし、堅牢な骨組みを感じさせます。贅肉は削ぎ落とされた筋肉美。ロワールのカベルネ・フランの常識を覆すワインで、程よい酸味が「トマトソース」との相性を引き出してくれます。

(2023.5.01[MON])

「 京鴨ロースのソテー & ジュブレィ シャンベルタン 」

イメージ・縦

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ

GEVREY CHAMBERTIN.Seuvrees '18 (Michel Magnien) \ 2,300
ジュヴレィ シャンベルタン スーヴレ (ミシェル マニャン)

生真面目で優れた醸造家として知られるミシェル・マニャンhはマニャン家4代目当主としてぶどう栽培、ワイン造りに従事してきました。彼の真面目で思慮深い性格はメゾン・ルイ・ラトゥールの畑の管理を任されていたことからも伺い知れます。1993年までは彼が父ベルナール・マニアンから受け継いだ畑のぶどうをモレ・サン・ドゥニの協同組合に納めてきましたが、彼の息子、世界のワイン界で様々な経験を積んだフレデリックの説得により、以後全ての収穫を自社でのワイン造りに切り替えました。また同時にワインの醸造をフレデリックに任せるようになりました。1993年からのワイン造りは素晴らしい進歩を遂げ、選果台の導入や除草剤の廃止、近年では有機栽培に力を入れ、産み出されるエレガントで力強いワインは世界のメディアから注目され賞賛されています。ミシェルの絶大な信頼を得たフレデリックは2006年よりドメーヌの運営も全面的に任され、マニャン家5代目当主として活躍、グラン・クリュ、プルミエ・クリュを数多く含む9.7haの畑を中心に生真面目で高品質なワイン造りを行っています。
今月のマリアージュのお相手は「京鴨ロースのソテー カシス風味の赤ワインソース」をおすすめします。京都府北部の「与謝野町」の鴨を皮目も香ばしくソテーして、鴨料理と言えば「薄切り」が定番ですが、京鴨の「ジューシーさ」と「歯触り」を楽しんで頂きたいので、少し大き目の「コロ切り」で提供します。ソースはカシスのフルーティーさをベースに赤ワインの風味のこれも又、定番のおすすめです。

(20234.01[SAT])

「 三河山吹うずらのソテー & ボーヌ 」

イメージ・縦

サヴィニー・レ・ボーヌに本拠を置くアントナン・ギヨンは、48ヘクタールのブドウ畑を耕作する大ドメーヌです。
1960年代に先代のアントナン・ギヨンがジュヴレ・シャンベルタンからムルソーにかけて秀逸なクリマを手に入れ、70年代になると、その息子で現当主のドミニクが、オート・コート・ド・ニュイに点在する350もの区画を80軒の農家から買い集めました。ブルゴーニュACとオート・コート・ド・ニュイのワインはドメーヌ・ドミニク・ギヨン、それ以外のアペラシオンはドメーヌ・アントナン・ギヨンの名がラベルに冠されます。これだけ広大なブドウ畑をもちながらビオロジック栽培にも熱心で、2015年から正式に移行。2018年にはエコセールの認証を取得予定と言います。
収量はアペラシオンやヴィンテージに応じて28~42hl/haですが、2016年は遅霜の被害が甚大で、ボーヌの生産量はなんとゼロ。お膝元のサヴィニーもわずか1割という状況です。
ワイン醸造はいたってトラディショナル。畑と醸造所の2回にわたって選果をし、完全除梗のうえ、発酵前に10度の低温浸漬、ピジャージュ、ルモンタージュ、デレスタージュによって抽出を行います。発酵容器は古式ゆかしき木製の開放槽で、熟成用の樽はフランソワ・フレールとダミーを中心とし、新樽の比率は平均25パーセント。
赤は18ヶ月間の熟成を施します。白は全房で圧搾後、小樽発酵。週に1回のバトナージュを行い、コルトン・シャルルマーニュの18ヶ月は例外として、他のアペラシオンはだいたい12ヶ月の樽熟成です。
白はピュリニー・モンラッシェの1級ピュセル、ムルソーの1級シャルム、それに特級コルトン・シャルルマーニュ。赤は特級にコルトン・ブレッサンド、コルトン・クロ・デュ・ロワ、そしてシャルム・シャンベルタンといった銘醸畑をもっています。
評論家受けを狙った大柄なタイプではなく、アントナン・ギヨンのワインは繊細にしてエレガント。料理と寄り添う、伝統的なスタイルを貫いています。77アールの広さをもつモノポールの畑。樹齢は約30年。オーク樽(新樽25%)で18か月の熟成。輝きのあるルビー色。繊細なアロマと滑らかなテクスチャ。大変エレガントなワインで、約10年の熟成が期待できます。
今月のマリアージュのお相手は「三河山吹うずらのソテー そのフォンとブルゴーニュワインソース」をおすすめします。愛知県は豊橋市、三河の地で「60日間」の飼育を経て出荷時に胸元が「山吹色」の成長色に変化することから命名された「三河山吹うずら」、昨年末に豊橋市で確認された「鳥インフルエンザ」の発生に伴い出荷を停止していましたが、ようやく認可も下りて「周年月の定番」として登場です・・・胸、もも肉の開きを丁寧にソテーして、鶉の骨、ミンチ肉から取った出し汁に今月マリアージュのお相手「ボーヌ クロ ド ラ ショーム ゴーフリオ ‘18」を加えて詰めた「フォン ド カイユ」とフォンドヴォー、ホワイトポートで味を調えたソースでお召し上がり頂きます。ジューシーな味わいと一種「ジビエ」を感じさせる風味が「ピノノワール」と相まって、絶妙の「マリアージュ」を醸し出します。


(2023.3.01[WED])

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR