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うづらてい

Author:うづらてい
京都木屋町のワインダイニングです。

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「 仔牛とリ・ド・ヴォーのソテー & シャトー・ラグランジュ 」

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今月の「コース料理」のおすすめの逸品と選りすぐりのグラスワインとの「マリアージュ」のコーナーです・・・「ソムリエ・森下」のご案内でどう^ぞ・・・。

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
CHATEAU LAGRANGE '05(ST-Julien) 2,500 (2,888)
シャトー ラグランジュ (サンジュリアン)

「ボルドー」・「メドック」地区の赤ワインは、古くからフランスワインの女王として世界のワインファンの垂涎の的となってきました。その「メドック」地区で、500以上もあるシャトーを公式に格付けし、ワインファンへの正しい目安にしようとする動きが初めて起こったのは、1855年、「パリ」万国博の際のことでした。「シャトー・ラグランジュ」は、この公式格付けで、グラン・クリュに選ばれたわずか58シャトー(その後分割もあって現在61)のさらにトップ3分の1の中に数えられた名門中の名門です。シャトーの歴史は古く、すでに17世紀初頭には、王室砲兵隊輜重隊長の“ジャン・ド・ヴィヴィアン”の所有だった旨が、古文書に記されています。また「1706~1724」年版の「マッセ」のワイン地図にも、すでに「La Grange」の名で記されており、さらに19世紀には、“ルイ・フィリップ”朝で商農大臣、大蔵大臣、内務大臣を歴任した“デュシャテル”伯爵がその所有者になり、シャトーの名声を栄光の頂点にまで引き上げました。伯爵は城館や醸造所を、「ボルドー」でも屈指の規模のものとしたばかりでなく、葡萄園の土中に素焼きの土管を埋めて水はけをよくする等、今日まで受け継がれている画期的な栽培技術を開発、ワインの品質を見事なまでに磨き上げました。「シャトー・ラグランジュ」がグラン・クリュに指定されたのも、まさにこの“デュシャテル”伯爵所有の時代のことでした。しかし、その後、「シャトー・ラグランジュ」の名声は、ゆっくりとその輝きを薄れさせていきます。1925年にこのシャトーを引き継いだ“センドーヤ”家が、1929年の大恐慌と戦争で経済的に没落してしまったのです。シャトーは荒廃し、畑は周辺から切り売りされるという、冬の時代の始まりでした。1983年12月15日、この名門シャトーの経営を引き継いだのは、日本企業の「サントリー」で、欧米以外の企業によるフランス政府の認可がおりた初めて事例となりました。先代所有者の“センドーヤ”家が、土地の切り売りを、周辺の、最も力の劣った部分から少しずつ進めていったため、結果として、1983年に「サントリー」が引き継いだ時点で、かつての「シャトー・ラグランジュ」の最も優秀な部分、いわば精随ともいえる場所だけが残されており、当時でさえ、多くの専門家が「土壌がもつ潜在能力という点では、メドックのトップ10シャトーに匹敵する」と評価され、その潜在能力を可能な限り引き出すことが、当面の「サントリー」の最大目標となりました。新生「シャトー・ラグランジュ」では、従来の醸造設備を全て廃棄し、最新式の温度コントロール装置をそなえたジャケット式ステンレス製醗酵タンクを、「メドック」で初めて導入し、しかもその醗酵タンクを数多く揃えました。この新しい醸造設備は、1985年ヴィンテージのワインから使用され、その結果、品種ごと、区画ごとに、すべてを別々に醸造することが可能になり、アッサンブラージュ(ブレンド)の際のセレクションの幅が大きく広がり、醗酵は、「メドック」のグラン・クリュの伝統を忠実に守り、できるだけ高めの温度(28~30℃)で長時間(15~20日間)行い、果皮や種子からの成分を充分に浸出させています。
このとき既に伝説的とも言える「シャトー・マルゴー」の再生を達成していました“エミル・ペイノー”博士の指導や「シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ」の“ミシェル・ドロン”氏の監督のもと、総責任者として“ペイノー”門下の“マルセル・デュカス”を迎え入れ、「サントリー」から同じく“ペイノー”門下の“鈴田健二”が加わり、畑の改良・醸造設備の投入など徹底的に改革が行われ、ワインの品質の向上は勿論のこと、静かな庭や湖に野生生物が集う美しいシャトーへと復活を遂げました。この「シャトー・ラグランジュ」における変化を、1990年「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙が、敢えて取り上げているほどです。ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョン種66%、メルロー種27%、プティ・ヴェルド7%、色調は深みのあるルビー、スモーキーなトップノーズはまさに新樽からのもので、次いで、ブラックベリー、カシスやヒマラヤスギ、なめし皮の個性、タンニン量は驚くほど高いが、十分な構造を持った果実味と混ざり合って卓越したワインに仕上がっています。余韻も長くいつまでも精密な味わいが後を引きます。
今月のマリアージュのお相手は「仔牛とリ・ド・ヴォーのソテー モリーユの赤ワインソース」をおすすめします。もともとフランス領のケベック州からの仔牛は生後約3か月くらいで母牛のミルクしか飲んでいないため、くせは全くなくミルキーで非常に柔らかい肉質です。粉をつけてソテーしたリ・ド・ヴォーと盛り合わせに「シャトー・グロリア’06」をふんだんに使い、フォン・ド・ヴォー、白ポルト、マデラ酒をベースにモリーユ茸の風味をプラスし、生クリームで仕上げたソースとは抜群の相性です。ソースのベースとは同村であります「サンジュリアン」村のグラン・ヴァン「シャトー・ラグランジュ」とは当然のマリアージュではないでしょうか。是非、お楽しみくださいませ!!。

(2010.4.01[FRI])

「 京都ポークとフォワグラのロッシーニ風 & ヴィルジニ ド ヴァランドロー 」

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「周年記念」の今月は、コース料理も「謝恩モード」にてご用意してます・・・アミューズの「キャヴィア」に始まり、メイン料理のおすすめの「フォワグラ」と「トリュフ」を召し上がって頂けたら「世界3大珍味」の揃い踏みです・・・いつものように「ソムリエ・森下」のコメントでお楽しみ下さい・・・。

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
VIRGINIE DE VALANDRAUD '04(St-Emilion) 2,300 (2,657)
ヴェルジニ ド ヴァランドロー (サンテミリオン)

 “ジャン・リュック・テュヌヴァン”氏が所有しています「シャトー・ド・ヴァランドロー」は1995年のプリムールのオークションで「メドック」の五大シャトーより高値で取引され一躍話題を呼び「ポムロール」の「シャトー・ル・パン」同様“ミシェル・ローラン”氏が栽培、醸造のコンサルタントを努め、まさに「サンテミリオン」のガレージワインの元祖でございます。1989年、「シャトー・パヴィ・マカン」と「シャトー・ラ・クロット」の間の小さな谷に、わずか0.6haの畑を購入したのが始まりで、徐々に畑を広げ、現在では約8.9haを所有するに至っています。
今回おすすめの「シャトー・ヴェルジニ・ド・ヴァランドロー」、“テュヌヴァン”氏のひとり娘“ヴィルジニ”の名前が由来となっており、ラベルにも愛らしい姿が記載されています。所有の畑の内の4haの区画から作られるセカンドワインにあたるのですが、ファーストワインとは異なる区画になっています。しかし、ファーストワイン同様、化学肥料は一切使用せず、限りなく自然に近い状態にこだわっています。ヴァランドローと同じ醸造方法、新樽100%による18ヶ月間の樽熟成を行います。ファーストヴィンテージは1991年ですが、1997年以降「ヴィルジニ・ド・ヴァランドロー」は当初のセカンドワインとしてではなく「レ・フォール・ド・ラトゥール」や「シャペル・ド・オーゾンヌ」、はたまた「クロ・デュ・マルキ」同様、独自のアイデンティティーをもったワインとして位置づけられています。
例年ではメルロ-種70%、カベルネ・フラン種30%をブレンドして造られ、ヴィンテージによっては少量のカベルネ・ソーヴィニヨン種とマルベック種が加えられています。
当初は今時を突き進むモダンなスタイルだと思っていました、実際はトラディショナルなベースに現代的な果実の魅力を付加したような、良いとこ取りのハイブリッド的指向を感じます。色合いはグラスの縁いっぱいまで濃いルビー、力強い芳香は、黒系果実、コーヒーやスパイス香が一体となり凝縮感と程よい熟成感が心地よく鼻腔をくすぐります。味わいはこなれた樽の風味とブドウ果実の完熟感が見事に融合し、密度感のあるタンニンがリッチな雰囲気を醸し出しており、飲むほどに心地よさを与えてくれます。
今月のマリアージュのお相手は「京都ポークとフォワグラのロッシーニ風 ペリグーソース」をおすすめします。京都ポークとガチョウのフォアグラを贅沢にロッシーニ風に、ソースは食材の存在感に負けない黒トリュフをふんだんに使ったソース・ペリグーをご用意いたしました。7周年の節目に、日頃の皆様のご愛顧に感謝いたしまして、お料理、ワイン共に芳しい風味、一際リッチな味わいのマリアージュとさせていただきました。是非、お楽しみくださいませ!!!。

(2010.3.1[TUE])

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