
時節も「秋」の様相から「冬」の風情へと移りかけていきます・・・「ジビエ」の食材も「二足(鳥類)」から「四足(獣類)」の季節へと移り、毎年「1月」に「いのしし」を頂く、鳥取の猟師さんから“鹿が獲れたよ!!”の電話に、早速、今月の「おすすめ料理」として登場しました・・・京都の北部でもそうですが、鹿による農作物被害が急増していて、鳥取でも同じ様子で「いのしし」の罠に「鹿」が掛かることがまれにあるようで、この前は鹿用にかけた罠に、なんと、最近お騒がせの「熊」まで掛かったそうで「放獣(人に危害を加えなければ、捕獲してはいけない保護動物なので、山に帰してあげないといけないそうです)」までに、保健所や保護団体や獣医さん(麻酔をかける為)の手続きにかなりの時間を要したそうです・・・いろんなことがあるもので、安全な「猟」を心よりお祈り申し上げます・・・。
おすすめのワインも、秋の「ブルゴーニュ」から「ボルドー」へと変わっていきます・・・実は「コート デュ ローヌ」地方の異才「トレヴァロン」を予定していたのですが、あまりの「澱」の多さにグラスワインでは提供しづらいもので断念しました・・・。
こちらも、いつものように「ソムリエ・森下」のエスコートでどうぞ・・・。
★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
CHATEAU BEYCHEVELL '06 (ST-Julien) 2,500 (2,888)
シャトー ベイシュヴェル (サンジュリアン)
ラベルに帆を半分下げ、船首にワインの神「ディオニュソス」を守る「ギリシャ」神話の「グリフォン」を掲げた船が描かれている事で印象的な「シャトー・ベイシュヴェル」、16世紀に、この城は「フランス」の海軍提督の“エペルノン”公爵の城館でした。このため、「ジロンド」河を通る船乗りたちは、その後数世紀にわたって、この城の前に来ると「ガスコーニュ」語で「ベッセ・ヴォワール」つまり「帆を下げよ」と叫んで提督への敬意を表したのです。このベッセ・ヴォワールがいつか転訛して、「ベイシュヴェル」となったといわれています。また、このシャトーは、「ボルドー」で最も美しい城としても有名で、今日の城館の中心部分が建てられたのは1757年、“ブラシエ”侯爵の時代でした。この年、侯爵は中世にまでさかのぼる城を取り壊し、その石材を使って新たな城を建築し、同時に「ヴェルサイユ」宮殿にならったルノートル様式の広大な庭園をつくり、人々の目を驚かせました。この時から「シャトー・ベイシュヴェル」は「メドックの小さなヴェルサイユ」として、広く世界に知られるようになったのです。ワインづくりの歴史も古く、すでに17世紀中頃には、大規模な葡萄栽培が行われていました。これは、「メドック」で最も古い記録のひとつです。そして18世紀の中頃には、「サンジュリアン」村の数あるシャトーの中でも最も高値を呼ぶ銘柄として頭角を現しました。この名声は、“ブラシエ”侯爵の時代にさらに磨きをかけられていきましたが2代目の“ブラシエ”侯爵が「フランス」革命によって追放されてからは、一時期名声にかげりを見せることになります。その後「シャトー・ベイシュヴェル」は「パリ」の銀行家“アルマン・アイン”の所有に移り、彼とその娘婿の“シャルル・アシール=フール”の時代に「ベイシュヴェル」の品質は急速に復興します。そして“シャルル”の孫の“アイマール・アシール=フール”が「フランス」の国防大臣に就任した際には、「ベイシュヴェルに"帆を下ろせ"の伝統が復活した」として大きな話題を呼びました。1986年にこの“アシール・フール”が亡くなり、翌年「シャトー・ベイシュヴェル」のオーナーシップは保険会社の「GMFグループ」に移り、さらに1989年、この保険会社と「サントリー」の共同出資による「グラン・ミレジム・ド・フランス」社の経営に移りました。
「シャトー・ベイシュヴェル」は、「メドック」の中心地に位置しています。深いレキ(小石)層におおわれたその土壌は、「シャトー・ベイシュヴェル」から北に向かって「シャトー・ラトゥール」の畑まで続いており、おそらくはカベルネ・ソーヴィニヨン種の栽培には最も適した土地のひとつと言えるでしょう。事実ここからは、世界最高と評価の高い、いくつものワインが生み出されているのです。「シャトー・ベイシュヴェル」は、この恵まれた土地に約250haの敷地を所有していますが、葡萄畑にしているのは、わずかに70haのみ。これは、葡萄の樹に最も適した土地のみを厳選しているからで、その他の土地は羊の放牧や牧草地として利用しています。そして羊の糞等を堆肥として畑に使い、全体として有機的な農法を行っているのです。醸造は高めの温度で長めに行い、果皮や種子からの成分を充分に浸出させ、樽貯蔵の際には、その年の品質にあわせて、新樽を30~60%導入、18~19ヵ月ほどねかせます。植え付け品種はカベルネ・ソーヴィニヨン種62%、メルロ種31%、カベルネ・フラン種5%、プティ・ヴェルド種2%。深みのあるルビー色、土、西洋杉、オーク、ブラックベリー、甘草、ミックススパイスの香りが芳醇に立ち上がる、適度なタンニン、噛み応えのある濃厚な果実味は、若々しい強さと、「シャトー・ベイシュベル」特有のエレガントさを表現しております。
今月のマリアージュのお相手には「鳥取県産 鹿肉のソテー 赤ワインソース」をおすすめします。鳥取県で狩猟された「鹿」のロース肉、もも肉をシンプルにソテー、フランスのカマルグ塩、黒胡椒、赤ワインソースを添えておりますので、お好みでお召し上がり下さい。驚くほど柔らかな肉質と想像できないほどの上品な味わい、スタッフ一同文句なしの絶賛でございました。鹿肉の旨味は、濃厚な果実味とスパイシーさを伴いながら、エレガントな仕上がりのワインと相性の良さを見せてくれますので、「シャトー・ベイシュベル2006年」とのマリーアジュも楽しいものになると思います。
是非、お楽しみ下さいませ!!!。