「 山鳩のロースト & ヴォーヌ・ロマネ 」

“ジビエの秋”の「第二弾」は、スコットランド産の狩猟による「山鳩」です・・・ワインも少し奮発して「ブルゴーニュ地方」の「一等地」、“ヴォーヌ・ロマネ村”の一級格付け、それも名手“ミシェル・グロ”が単独所有する“クロ・デ・レア”とのマリアージュです・・・「ソムリエ森下」のコメントで、どうぞ・・・。
★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
VOSNE ROMANEE.Clos des Reas Michel Gros '06 グラス \2,500 (\2,888)
ヴォーヌ ロマネ クロ デ レア (ミッシェル グロ)
名門ドメーヌとしてのグロ一族の始まりは1830年、“アルフォンス・グロ”によって創立されました。2代目“ルイ・ギュスターヴ”は「ブルゴーニュ」におけるドメーヌ元詰めをいち早く導入し、3代目“ジュ-ル”は戦乱を乗り越え、さらに4代目“ルイ”の所有畑拡大、5代目“ジャン”と続き、一族の栄光は絶え間なく引き継がれてきました。そして1995年、“ジャン”の引退によってこの由緒あるドメーヌは3人の子供達に分割され、本流となる6代目が長男“ミシェル”。(兄弟・親戚あわせ、現在「グロ」を名乗るのは少し整理されて4つのドメーヌとなりました。)実際には十数年前からドメーヌを仕切ってきたは“ミシェル”であり、世代交代といってもそのキャリアはすでに確立されたものでした。177年にも及ぶドメーヌのさらなる安泰は約束されています。飾ることのない、控えめすぎるくらいの人柄の“ミシェル”は兄弟たちに惜しみなく名畑を譲り、黙々とワイン造りに徹しているかのようですが、運営に関しては積極的で、「モレ・サン・ドニ」村や「シャンボル・ミュジニ」村に区画を購入し、「ミシェル・グロ」としてのドメーヌ拡大も徐々に推し進めているようです。
今回は“グロ”一族の家系、前述の他の3つのドメーヌについて少しご説明させていただきます。ワイン好きの皆様のことですから、いろいろな“グロ”のつくドメーヌの存在はご承知だとおもいますが『どういうご関係ですか?』という疑問をお持ちではないでしょうか。そのあたりをすっきりさせていきましょう!。
まずは「ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール」から、現在“ミシェル・グロ”の弟“ベルナール・グロ”が運営しています。ドメーヌの始まりは父“ジャン・グロ”の兄“ギュスターヴ・グロ”と姉“コレット・グロ”が起したものなのですが2人には後継者がいらっしゃらないということで1980年より“ベルナール・グロ”が引き継ぐことになりました代表的な畑は「リシュブール」、「グラン・エシェゾー」、「クロ・ヴージョ・ミュジニ」などそうそうたる特級畑が名をつらねます。
次に「ドメーヌ・A・F・グロ」、「ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ」とお読みください。“ミシェル・グロ”の妹“アンヌ・フランソワーズ・グロ”が起したドメーヌです。彼女は1976年「ポマール」村のドメーヌを率いる“フランソワ・パラン”と結婚し、夫とともにドメーヌを運営しています。代表的な畑はやはり「リシュブール」、「エシェゾー」でしょう。
3つ目のドメーヌは「ドメーヌ・アンヌ・グロ」です。“ミシェル・グロ”の従妹にあたります、“アンヌ・グロ”(ご主人は「ショレ・レ・ボーヌ」村の優良ドメーヌ「ドメーヌ・トロ・ボー」の息子“ジャン・ポール・トロ”)が現在運営しております。ドメーヌの始まりは彼女の父“フランソワ・グロ”(“ミシェル・グロ”の父“ジャン・グロ”の弟さんにあたります。)が起したもので初めは「ドメーヌ・フランソワ・グロ」そして「ドメーヌ・アンヌ・エ・フランソワ・グロ」と名をかえ現在の「ドメーヌ・アンヌ・グロ」にいたります。代表的な畑は「リシュブール」、「エシェゾー」、「クロ・ヴージョ・レ・グラン・モーペルテュイ」です
今回ご紹介の「ヴォーヌ・ロマネ・クロ・デ・レア」は「ドメーヌ・ミシェル・グロ」のモノポールでまさに、ドメーヌの旗艦的ワインです。色調には透明感がありながら深みを感じさせ、ずばぬけた芳香、いろいろな香りが次々におしよせてきます、わずかな動物香、スパイスと黒系果実の香り、酸は穏やか、とてもまろやかな質感のある果実味はさすがの一言で、上質なフィネスを感じさせてくれます、まさに、ハイクラスワインのスタンダードと言われる所以が納得できます。
今月のマリアージュのお相手には「スコットランド産 山鳩のロースト ペリグーソース」をおすすめします。スコットランドで狩猟された山鳩(ピジョン・ラミエ)は野性味あふれる赤身肉です、独特な風味には旨味が凝縮しており、食べ応え十分です。山鳩はシンプルにローストし、ソースにはトリュフをふんだんに使った贅沢なソース・ペリグーをご用意しております。山鳩の旨味、トリュフの気品のある香り、華麗ですべてを包みこむような包容力のある「ヴォーヌ・ロマネ」、誰もが納得のマリアージュだと思います。いつになく自信ありの一押しです、是非、是非、お楽しみ下さいませ!!!。
(2010.11.1[MON])