「 山ウズラとフォワグラの取り合わせ & ニュイ・サン‐ジョルジュ 」

秋も深まり、美食家の皆様には、待望の「ジビエ」のシーズンの始まりです・・・今月のおすすめ料理は、フランス産の「山ウズラ」とフォワグラの取り合わせです・・・いつもように“ソムリエ・森下”のコメントでお楽しみ下さい・・・。
★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
NUITS ST-GEORGES.Les Vignes Rondes '04 (Mugneret Gibourg) \2,500 (\2,888)
ニュイ サン ジョルジュ レ ヴィニュ ロンド (ミュニュレ ジブール)
「ヴォーヌ・ロマネ」村に本拠を置くドメーヌで、1988年に亡くなった故“ジョルジュ・ミュニュレ”博士の未亡人である“ジャクリーヌ”夫人と、“マリ=クリスティーヌ”と“マリ=アンドレ”の姉妹で運営しています。所有する地所は9haに上り、以前からの畑のワインは「ドメーヌ・ミュニュレ・ジブール」、故“ジョルジュ・ミュニュレ”博士が買い集めた区画のものは「ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ」と分けてリリースしています。ドメーヌで一、二を争う評価の「リュショット・シャンベルタン」は数年前に老木を植え替えたため、ヴィンテージによっては若木や2番成り、3番成りのぶどうも用い、格下げしてAC「ジュヴレ・シャンベルタン」のリリースもおこなうようになった。また「リュショット・シャンベルタン」に勝るとも劣らぬ人気の「クロ・ド・ヴージョ」は、城館の下、「メオ・カミュゼ」の区画のすぐ東という絶好の立地所有しています。プルミエ・クリュのクオリティの高さも出色で、「ヴィニュ・ロンド」、「シェニョ」と、それぞれのテロワールの異なりがしっかりと感じられ、また「フスロット」は「シャンボール・ミュジニー」村のエレガントさが十分に伝わる仕上がり。そしてドメーヌが拠を置くAC「ヴォーヌ・ロマネ」は、ラベルには表示されていないが、村のすぐ東の「コロンビエール」の区画を主に、「シャン・グーダン」、それに「ル・プレ・ド・フォリー」の各リュー=ディからつくられています。樹齢は40年前後で安定、収量は芽掻きに加えヴァンダンジュ・ヴェールト(色付く前のブドウの房を摘むことで一枝にできるブドウの数をコントロールすることです)も付し低く抑え(グラン・クリュは低い年には20ヘクトリットル以下となる)、そして非常に丁寧なトリアージュ(選別。未熟果や腐敗果を除去し、健康で熟したぶどう果を選り分けること)。をおこなう。基本的に除梗するが、年によっては2割程度まで果梗を用い、1日から2日間と短いマセラシオン・プレフェルマンテール・ア・フロワ(低温浸漬。摂氏10度以下の低温状態のぶどう果汁に果皮と果梗を漬け込み、色素、構成要素の十二分な抽出を図ること)の後、アルコール発酵。その際、シャプタリザシオン(補糖)は必要最低限(グラン・クリュにおいては多くのヴィンテージでシャプタリザシヨンはおこなわない、といってもアルコールはしばしば13パーセント以上に達する)のみとしています。グラン・クリュ、プルミエ・クリュで7割から8割、ヴィラージュでも5割前後という高い比率で新樽を用います。
今回ご紹介の「ヴィニュ・ロンド」は、「ヴォーヌ・ロマネ」の趣の「シェニョ」の隣に位置していますが、不思議と「ヴォーヌ・ロマネ」らしさは薄まり、模範的な「ニュイ・サン・ジョルジュ」を色濃く表現しています。色調は、明るいサファイア、トップノーズからすぐにリキュールのような艶かしい香りを捉えることが出来ます。比較的高い比率の新樽を使用しますが、全く樽臭さなど感じさせない仕上がりのワインで、やわらかい果実味と滑らかなタンニンがしっかりとワインのボディを構成し、非常に心地良い酸が全体のバランスをうまくとっています。素晴らしいワインです。バランスに優れ、素性のよいブルゴーニュとはどういうものかしっかりと体感できるワインです。
今月のマリアージュのお相手には「山ウズラとフォワグラの取り合わせ ザクロのソース」をおすすめします。フランス産のペルドロー(山ウズラ)とハンガリー産のがちょうのフォアグラを贅沢に取り合わせにし、ザクロの風味を生かしたソースで召し上がって頂きます(ベースになる赤ワインには、なんと“ドメーヌ・シモン・ビーズ”の「サヴィニ・レ・ボーヌ・レ・グラン・リアール’05」を惜しみなく使用しています)。淡白なペルドローと濃厚なフォアグラの味わいをザクロの風味が一層ひきたたせ、そして、リキュールのような「ニュイ・サン・ジョルジュ」がしっかりと受け止めてくれます。皆様、是非マリアージュをお楽しみ下さい!!。
(2009.11.01)