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うづらてい

Author:うづらてい
京都木屋町のワインダイニングです。

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尾田有美のブルゴーニュ便り

第38便

Bonjour!
4月に入ってブルゴーニュは驚くほどの好天続きで、雨も殆ど降らず、先週の日曜日(4月10日)などは最高気温が28度まで上昇しました。
これほどの好天と気温は1960年代来とか・・ブドウの生育も急ピッチで、ヴィニョロンはみなさん畑仕事で大忙しです。

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先の便りでご紹介しましたが、現在ブルゴーニュのコート・ドールをそのクリマ共々「ユネスコ世界遺産」登録への運動を進めています。 4月8日のこれまた晴天の中「Les Climats de Bourgogne en marche」という催しがあり、主人共々参加して来ました。 これはシャンボール・ミュジニー村からクロ・ド・ヴージョ城までのブドウ畑に沿って約1,5kmをのんびりと歩くというものです。 今までに何度も車で通った道ですが、歩くのは初めてで、家族連れや乳母車を押したお母さん、犬を連れたカップルなど、様々な年齢層の方が参加されていました。

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ヴォーヌ・ロマネのミッシェル・グロさんを発見! 先月に東京で行われた「フーデックス:Foodex」に参加されていて、帰国後数日であの東北地方の大震災があり、大の親日家である彼は随分と心を痛めておられました。
他にも同じヴォーヌ・ロマネのフランソワ・ゲルベの有名な姉妹ヴィニョロンのマダムにもお会いできました。

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少し日が翳って来て、道端やブドウ畑の中に設置されたロウソクに火が灯り始めました。

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3月末でフランスは夏時間に移行し、現在では夜8時過ぎまで明るいのですが、そろそろ夜の帳が降りて来てロマンチックです。 我々は後発組で、既に先発隊はクロ・ド・ヴージョに到着していて、音と光のパフォーマンスが始まっていました・・

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この幻想的な写真は中世のシトー派修道僧のいでたちで、11世紀当時の僧侶の生活ぶりをお芝居仕立てで語ってくれます。

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フラッシュを使用したので昼間のようですが、有名なドメーヌ・コント・ヴォギュエのグランクリュ畑「Musigny」です。 車1台がやっと通れる道を挟んでこれまた有名なパーセル「Les Amoureuses」があります。
この辺は高台になっていてクロ・ド・ヴージョを前に控えて見晴らしが良く、いつも車を止めてお客様の記念写真ポイントにしている所です。 この辺りからはヴージョ城での光と音のパフォーマンスが見えるので、みんなが止まってしまい前に進む事ができませんでした。

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本来ならヴージョ城でのコンサートや企画委員のお話(ロマネコンティのヴィレーヌ氏など)があるのですが、凄い混雑で我々は気後れしてパス。
少し道を下った「ドメーヌ・ベルターニャ」のパーセル沿いにスタンドが出ていて、何と参加者全員(参加申し込み書所有者)には試飲グラスとワイン1杯が無料で振舞われました。 我々も有り難く頂きやっと一息付けました。
さすがワイン大国、グラス1杯程度なら警察もお目こぼししてくれるのです。

大成功に終わった(らしいと翌日の地方テレビが説明していました)といっても、今年末にまずフランス国内の他の候補地と競り、尚且つ2013年にユネスコ本部での世界大会!に競り勝たなければならないのだそうです。
現時点ではミス・ブルゴーニュに選出された所で、これからミス・フランスになって、そしてミス・ユニバースへと、まだまだ厳しい競争が残っているのです。

            では、またお近いうちに。  A bientôt ! 

尾田有美のブルゴーニュ便り

第37便

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日本の皆様へ
 我々在仏日本人にとっても辛い日々が過ぎて行きました。
 遠く離れていて、何も出来ないというむなしさと焦燥感に見舞われていましたが、先週末(3月19日)にディジョ ンの日仏関係の2つの協会が行動を起こしました。
 このステッカーと折り鶴はその時に用意されたもので、東北大震災の被災者の方への義捐金を募金して下さった 方へ渡されたものです。

まだ震災も無く、小春日和の平和な3月初めに日本からの卒業旅行の可愛い女子大生3人のガイドをさせて頂きました。
その時に、ロマネコンティの畑を見学していたら、素敵な光景に出会えました。
昼食後ノンビリと有名な十字架を背景に記念写真を撮っていましたら、畑に変わった鉄の道具が置いてありました。

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何かなあ・・なんて、お喋りをしていたらヴォーヌロマネ村の方角から1頭の大きな馬と男性がゆっくりと歩いて来ます。
DRC専属の馬での耕作をしてる方で、お名前はセバスティアンさん、優しい目をしたでっかい馬はミッケイくん。 
Mickeyをミッキーではなくミッケイとフランス人は発音します。 ですからMickey Mauseはミッケイ・ミスという変な呼び名になってしまいます !
畑にあった鉄の道具は耕作具で、鍬・鋤の様なものです。
これから人馬一体のんびりと世界一有名なパーセルを耕して行くのです。

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最近、コート・ドール一帯を風景や歴史的建造物というカテゴリーを越えて、テロワールそのものでユネスコ世界遺産登録への準備運動が始まっています。 この推進人で代表者がDRCの顔ヴィレーヌ氏です。  今冬にロマネコンティの世界といった感じのドキュメンタリー番組も制作されて地元テレビで見ることが出来ました。 そして、ここのドメーヌのサイトも出来上がり、皆さんもご覧になる事が出来ます。 英語バージョンもありますから、ぜひご覧下さい。
どちらかと言えば、イメージ先行のきれいなサイトですが、歴史的な背景などもきちんと説明されていますし、ちゃんとミッケイくんも登場します。
   
      http://www.romanee-conti.fr

余談ですが、この日ガイドさせて頂いた女子大生さん達は何と仙台市から来られました。
幸い代表者のお嬢さんの携帯のメールアドレスを伺っていたので、恐々メールしたら、3人とも怪我も無くご無事で、我々もホッとした次第です。

                では、またお近いうちに。  A bientôt ! 

尾田有美のブルゴーニュ便り

第37便

お節分も過ぎて、春はもうそこまでと言いたいのですが、ブルゴーニュも京都も今冬は寒さが厳しい様ですね。

時期遅れの便りも最終便、もう少しだけお付き合い下さい。
怒涛の8月の後、浜松の超ワイン愛好家2名さまが何と恐ろしい事に9月のヴァンダンジュの時期に来られる事になり、大弱り!
しかも合計3泊4日のブルゴーニュのみのワインツアーに来られました。

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ワイン愛好家さんお二人は某有名ソムリエさんと懇意で泣きついて頂いて「Domaine des Lambrays」訪問が出来ました。 しかもヴァンダンジュ初日でビックリするような晴天に恵まれてドメーヌの責任者ティエイリー・ブルーアン氏の顔からも笑みがこぼれます。
見て見て・・って感じです。
彼が差し出しているのは糖度計です。
赤ブドウのパーセルですが、結構白ブドウが交じってるもんです。 シャルドネだそうですが、私がルイ・ジャドーでした時はピノ・ブランが交じっていました。

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この不思議な写真はボーヌロマネの「Domaine Gros F&S」を訪問した時。この日は先に「Domaine Michel Gros」を訪問していて、ちょっとした「兄弟対決」でした。
こちらのお客様の応対は当主ベルナールさんやミッシェル・グロさんのおば様「マダム・コレット」何と御年80歳を少し超えておられるとか!
ここのカーヴは岩盤がむき出しで、ブルゴーニュ特有の少しピンクがかった石灰岩で、グランドピアノが置かれ、床はディスコのように色が変化するという物凄いもの。
時々コンサートが行われるそうですが、きっとワインには良い情操環境なのでしょう。

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自慢させて下さい! Maison Joseph Drouhinの最高責任者で醸造も手がけているドルーアン家の長女で才女で美人のヴェロニクさんにお会い出来ました。
ボーヌの中心にあるカーヴのご案内は輸出部長で自称「100回は日本へ行った!」トーマス氏が担当。
普段未公開のカーヴは古代ローマ時代の遺跡の部分も含めて見応え一杯でした。

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最終日はマコン最南端のヴェルジソン村の「Domaine Eric Forest」へ。
愛好家達は実は強く「Domaine Verget」のジャン・マリ・ギュッヘン氏を希望しておられましたが、ヴァンダンジュ開始時期に重なり、結局ドタキャンとなりました・・
しかし、そのギュッヘン氏が最初に働いたドメーヌの孫に当たるエリックが心良く訪問をOKしてくれました。
こちらも当日はもうヴァンダンジュが始まっていたのですが、10時頃から1時間位ならヴァンダンジュのトラックが帰ってくる前だから時間があると優しいお言葉をもらえました。
抜けるような青空の下、汗ばむ位の陽気で、彼のキリリと冷えた(ちゃんと時間を見計らって冷やしておいてくれたのです!)白ワインの美味しかった事。

この他にも飛び込みでドメーヌ・シモン・ビーズやジャン・ルイ・トラペにお邪魔したり・・
最初は訪問ドメーヌが決まらなくて、冷や冷やもんでしたが、何とか満足頂けたツアーとなり、我々もホッ!

では、お近いうちに。
    
A Bientôt!

尾田有美のブルゴーニュ便り

第35便

Bonne Année!
私事で昨秋から今月初旬まで京都に戻っていました。
鶉亭さんにもその間、2度お邪魔して、美味しいワインとお料理をたっぷりと味わい、フランスに残ってる主人は少しすねていました。

ブログ更新出来なかった夏以降もガイドのお仕事で沢山のドメーヌを訪問させて頂きました。
今回はダイジェスト版でお見せします。

ドメーヌ・アラン・ジャニアール
最近モレ村ファンで立て続けに数件のドメーヌを訪問しました。 以下の4軒は全てモレの生産者です。
こちらは中堅所として、手堅い美味しいワインを造っているDmaine Alain Jeanniardの当主アランさんと主人(ド派手な赤いTシャツ)です。 最近ではかのオスピス・ド・ボーヌのキュベも手がけている注目のドメーヌです。


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今や老舗の風格もあるDomaine Pierre Amiotのディディエさんと愛犬レザン(raisin、ずばりブドウちゃん) 
しっかりした骨格のクラシックなワインは何だかほっとする味わい。

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モレの重鎮というか文鎮みたいな、世話好き話好きで何故か白ワイン好きの陽気なDomaine Jean Raphetのジャンおじさんと何と柔道黒帯のお孫さん。 ここでは古いヴィンテージもバンバン開けてくれて、最後は94年のクロ・ヴージョをたっぷり頂きました。

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最後は若手も頑張ってるモレです。 Domaine Jean-Paul et Stephane Magnienのステファン君。
去年のグランジュールの「若き才能のヴィニョロン」というサロンで控えめに応対してくれた彼ですが、アメリカのジャーナリスト達が絶賛していました。
モレには有名なマニャンさんが他にも居ますが、こちらも憶えておいて下さい。

次回は怒涛の8月編をお送りします。

    A bientôt!

尾田有美のブルゴーニュ便り

フィリポナ
第34便
Bonjour!
既に9月に入り、各ドメーヌは8月のヴァカンスから戻りヴァンダンジュの準備に追われています。 残念ながら8月までのブルゴーニュはあまり気温も上がらず、日照時間も短めで去年より収穫の開始が1週間ほど遅れるようす・・

ヴァンダンジュも目の前に迫っているのに、今回は7月末に日本から来られた若いソムリエさんのガイドで主人共々3泊4日でシャンパーニュまで出張した際のレポートです。
3日間で13軒訪問はハードスケジュールでしたが、大物から無名の若手まで多くの素晴らしい出会いがありましたが、今回は忘れられない訪問になると思う1軒をご紹介します。

1522年から続く名家「Philipponnat:フィリポナ」への訪問は、他の訪問がドタキャンになったため実現しました。 シャンパーニュの大手は普通インポーターを通さないと受付けてもらえなかったり、入場料を払って一般人と一緒に観光チックな訪問をする場合が多いです。 フランス人とはいえ一般人の主人が電話でフィリポナに電話して、秘書の方が快諾して下さり、幸先のいいスタート。
当日大物「ボランジェ」で時間が押してしまい、約束時間ギリギリに到着。待合室には何と一般人の2グループ、しかも全員金髪!のスエーデンチーム(カップル2組)とゴムぞうりに全員Tシャツ軽装のベルギーチーム(両親と子供2人!)に我々日本チームという国際色豊かな訪問メンバー。 フランス人は主人だけ、各チーム辛うじて1人だけが仏語が判る程度・・ どうせ、若い担当者が出て来て簡単なカーブ見学と試飲で終わりだろうと落胆していたら、小柄で愛嬌の良い男性がニコニコと登場し「シャルル・フィリポナです、今日の訪問のご案内をします」と一人ひとりと握手。
ご当主自らが、ジャーナリストやインポーター関係でもない一般人の訪問のお相手をして下さるとは思ってもいませんでした。

早速徒歩で本社のすぐ近くにあるここのフラッグシップ「Clos des Goisses」のパーセルへ。 パーセル名の意味は「辛い仕事」とか。 聞きしに勝る傾斜で25度からキツイ斜面で何と40度! フィリポナのブログで2009年3月にこのパーセルに雪が積もり、ご当主自ら畑の上からスキーで滑り降りたお話が書いてありましたが、スキーというよりはジャンプ台から滑り落ちるような感じだったと思います。

みんなで畑の上まで登り、フィリポナ氏が土壌からブドウ品種や仕立て方など懇切丁寧に判りやすく説明して下さいます。 素人の皆さんの素朴な質問にも本当に丁寧に答えて下さいますが、スエーデンチームとベルギーチームには英語で、我々には仏語で(その後私がソムリエさんに日本語で)話されていて、つい主人や私と仏語で話すと
そのまま仏語になってしまい、スエーデンチームから英語で喋ってよ!とちょくちょくクレームが付きました。
ここまでで既に1時間以上掛かり、畑を下って本社の醸造施設へ。
ここは最新式の設備が完備していて、清潔で近代的ですが、次にカーヴへ降りたら時代が一度に遡った感じ。 18世紀の広大なカーヴは幻想的です。 特にカーブの入り口は階段ではなくなだらかな坂になっており、地上の入り口から直接馬や馬車が入れたそうです。 ここで既に2時間ほど経っていました。

やっとお待ち兼ねの試飲。 実験室のような雰囲気の試飲室では当主自らがシャンパーニュの瓶を空け、グラスを用意して下さいました。
当日はRoyale Reserve ノンヴィンテージ、Grand Blanc Brut、 Clos des Goisses 2000、Cuvée《1522》Grand Cru Brut 2002 とい素晴らしいラインナップ。
ベルギーチームの子供達も暑かったのかパパのグラスから飲ませてもらってましたが、多分彼らにとっては生まれて始めてのシャンパーニュのグランクリュだったのではないでしょうか。 ちなみにこの試飲したシャンパーニュの種類はある日本の大新聞の記者がここに来て試飲したのとほぼ同じものでした。 感激!
本来ならこれで試飲はお終いだったのですが、私と主人が食後酒が好き、マールが好き、ラタフィアも好き・・なんて話していたら、フィリポナさんが「実はまだ瓶詰めしていない自家消費用のラタフィアがあるよ」とわざわざカーブまで捜して来て、みんなに振舞って下さいました。 ベルギー・スエーデン両チームとも初めてとかで大はしゃぎ。
以前オークションでゴッセのマールを買ったけど、美味しかったと言ったら「じゃあ、マールも持って来るね」と言って、景気良く開けて下さいました。 大感激!
ラタフィアやマールは長年知人のイタリアの蒸留者にお願いされているとか。
フィリポナ氏は長いお付き合いを大事にされる方で、この日もイタリアから40年来の付き合いがあるというインポーターが来られて、気が付いたら11時に始まった訪問は何と午後3時を過ぎていました! フランス人が昼食抜きでここまでして下さるとは・・ またまた感激!
全員ほろ酔い気分でフィリポナ氏にお別れを告げて、楽しい想い出とともにドメーヌを後にしました。

噂ではこの秋にシャンパンメーカーの数社が京都に来るとか。 そのメンバーにフィリポナ氏も入っているらしい・・ 彼はちなみに京都の大ファンだそうです。

 では、またお近いうちに。    A bientôt !


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