「 山陰地方産 猪ロース肉のソテー & モンド 」

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
MONDOT '18 (St-Emilion) ¥ 2,300
モンド (サンテミリオン)
以前も少し、お話したかと思います「サンテミリオン」の格付け改定のお話しから、2022年は10年ぶりの格付け改定の年にあたっておりました。大変な事にトップに君臨する、第一特別級Aの四つのシャトーのうち、「シャトー・シュヴァル・ブラン」と「シャトー・オーゾンヌ」、そして「シャトー・アンジェリュス」までもが格付けを辞退、不参加を声明する非常事態の中で始まりました。その中で、めでたく、「シャトー・トロロン・モンド」は2006年の改定時に「グラン・クリュ・クラッセ」から第一特別級Bに昇格して以来、今回も引き続き、第一特別級B維持、ということになりました。
「シャトー・トロロン・モンド」は現当主“クリスティーヌ・ヴァレット”氏が父親からシャトーを受け継ぎ、1980年代から品質が飛躍的に向上しました。1980年代半ばには、醸造コンサルタントに“ミシェル・ロラン”氏を招き入れ、さらに飛躍に拍車がかかりました。 その頃から、「サンテミリオンの第一特別級に格上げされるべき」、「メドックの二級に相当する品質」などと言われてきました。そうした評価を受け続けていたものの、1996年の改定の時は昇格最有力候補に留まりました。
しかし、ブドウの完熟を待って可能な限り摘み取りを遅くしたり、グリーン・ハーヴェストをして収穫量を抑えたり、新樽比率の引き上げ(約70%)を行うなど巨額な投資を行い、そうした努力が実り、ようやく2006年に第一特別級Bに昇格を果たしたのです。
「シャトー・トロロン・モンド」が位置するのは「サンテミリオン」の最も標高の高いパヴィの丘。気候が涼しいだけではなく、重い粘土質の土壌も冷たいためブドウはゆっくりと成熟します。古樹の割合が比較的高く、生み出されるワインは深みと奥行きのあるモダンなスタイルです。
今月ご紹介の「モンド2018年」は「シャトー・トロロン・モンド」が造るセカンドワインです。
ブレンド比率はメルロー種 92%、カベルネ・ソーヴィニョ種 6%、カベルネ・フラン種 2%となっております。色調は濃いルビー色。香りはアルコリックで濃厚な熟れた果実香がどっしりと中央に、黒系果実のドライフルーツ、ミックススパイス、土の香り。味わいはやはり黒系果実の果実感が序盤、支配的ですが、後半にはタンニンの存在感がしっかり感じられ、全体の味わいのディテールの完成度を一段も二段も底上げしています。アルコール度数が衝撃の15.5%と「カリフォルニア」ワインと見紛う高さですが、決して厚ぼったい所はなく、それでいて非常にリッチな味わいに仕上がっております。
今月のマリアージュのお相手は「山陰地方産 猪ロース肉のソテー ソース・マルシャン ド ヴァン」をおすすめします。罠で捕まえられたイノシシ肉を丁寧にローストし、フォンドヴォーとボルドーワインを煮詰めたものをベースにした“マルシャン ド ヴァン”ソースをご用意いたしました。とにかく抜群の旨味、ほのかな野性味、何といっても、脂の甘さが抜群です。非常にボリューミーでありながら、まろやかな「サンテミリオン」とは、見事なマリアージュとなりました。是非、お楽しみ下さいませ!!。
(2023.01.5[THU])