「 京都産 鴨のロースト & ニュイ サン-ジョルジュ 」

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
NUITS ST GEORGES.Les Murges (Chauvenet Chopin) '12 \ 2,500
ニュイ サン ジョルジュ レ ミュルジュ (ショーヴネ ショパン)
“ユベール・ショーヴネ”が自身のドメーヌを立ち上げたのは1975年に遡ります。その10年後、“エヴリーヌ・ショパン”と結婚し、ドメーヌ名を「ショーヴネ・ショパン」と改めました。今や伝説となってしまった感もありますが、「ニュイ」の南、「コンブランシアン」の村で名手として鳴らした「ドメーヌ・ショパン=グロフィエ」の当主“ダニエル・ショパン”が引退したのは90年代の終り。その地所を引き継いだのが、“ダニエル”の長女と結婚したこの「ドメーヌ・ショーヴネ・ショパン」の“ユベール・ショーヴネ”。
村名「ヴージョ」(実際は1級のプティ・ヴージョ)、「ニュイ・サン・ジョルジュ」1級シェニョ、特級「クロ・ド・ヴージョ」などのアペラシオンが加わりました。今日、ドメーヌは14.5haの畑を14のアペラシオンに展開。とくにお膝元の「ニュイ・サン・ジョルジュ」には「ミュルジェ」、「オー・ザルジヤ」、「オー・トレイ」、そして「シェニョ」と4つの1級畑を揃えています。
また、植えられているぶどうの樹齢の高さもドメーヌの大きな特徴のひとつです。この「ニュイ=サン=ジョルジュ」のプルミエ・クリュを代表する「ミュルジェ」の半分は樹齢50年、もう片方が20年の老ぶどう樹が植わっています。
“ユベール”本人は義父との接点がなく、ブドウ栽培やワイン造りは彼自身で築き上げたものだそうで、芽掻きと夏季剪定で収量を制限し、除葉によりブドウの熟度を促進。除草剤は使わず畑を耕す一方、畑によっては草生栽培も試みています。
手摘みしたブドウは振動式の選果台の上で選別のうえ、完全除梗。ポンプを使わずにベルトコンベアでタンクへと送られます。3〜4日の低温マセレーションを経てアルコール発酵。樽熟成は12〜18ヶ月。新樽率はヴィンテージとアペラシオンに応じて20〜40%です。
今回は2012年のヴィンテージに少し注目してみようと思います。そもそも「良い年」の定義とはどういったものなのかって事ですが、これは「その年の気候が葡萄の生育にとってとても良い状態で、収穫された葡萄の実は糖と酸のレベルが高く、そのバランスがとても良く、収穫量も多く、長期の熟成に耐え、熟成すれば最高の変化をし、又、若いうちに飲んでもその楽しさがわかりやすいワイン」とします。2005年、2010年や2015年が雑誌などのヴィンテージチャートで軒並み最高の評価を受ける中、ワイン関係者に異例の高評価なのが2012年です。一般的な評価とギャップが生じるのは、2012年の葡萄の生育がイレギュラーだったからに他なりません。
2012年の6月、葡萄が開花の時期を迎える頃、フランスの天候は恵まれたものではありませんでした。寒く、雨が多く、人にとっても葡萄にとってもネガティヴでした。房にいくつも咲くはずの花の開花のタイミングにばらつきがあり、受粉が一斉には進みません。「花ぶるい」という現象です。早く受粉した実から大きくなり、後から受粉した実はスペースが無く小粒のまま熟します。この、結実不良という葡萄の房の果実の大きさがバラバラになるという、ある種の障害が2012年の全体的な収穫量の低下に繋がりました。しかし、小粒の実が混ざる事で味わいとしてはとてもポジティヴな結果になったのです。果実味も酸味も濃縮感が有り、液量に対する果皮の割合の増加でタンニンも豊富。前段の「良い年の条件」の「気候が良い」と「収穫量が多い」という部分にこそ該当しませんが、ワインの質としてはいわゆるビックヴィンテージに近いものとなりました。
色調は淡いルビー色、よく熟したラズベリーやダークチェリーの果実香。きれいな酸が調和し、タンニンは非常に滑らかですが、ミネラルを感じさせる骨格は健在で、とても艶やかな味わいです。「ヴォーヌ・ロマネ」村寄りの丘にある1級畑で肉付きよく、同時にエレガントなスタイルの「ニュイ・サン・ジョルジュ」ワインです。
今月のマリアージュのお相手は「京都産 鴨のロースト ブラッドオレンジのビガラードソース」をおすすめします。京都は与謝野町の鴨肉を丁寧にローストし、ブラッドオレンジ、フォンドヴォ、「ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ミュルジュ2012年」をベースにして、ビガラードソースをご用意いたしました。まさにフレンチ版照り焼きといった趣で、繊細でエレガント、それでいて芯の強さのある「ニュイ・サン・ジョルジュ」ワインとは素晴らしい相性となりました。是非、お楽しみ下さいませ!!!。
(2019.07.01[MON])