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Author:うづらてい
京都木屋町のワインダイニングです。

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「 ブルターニュ産 仔牛肉とリ・ド・ヴォーのソテー & プリューレ・リシーヌ 」

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★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ

CHATEAU PRIEURE LICHINE '09 (Margaux) 2,300
シャトー プリューレ リシーヌ (マルゴー)

フランス語で“小修道院”という意味の「プリューレ」と、以前オーナーであった“アレクセス・リシーヌ”氏の苗字を取って名付けられているのが「シャトー・プリューレ・リシーヌ」です。その名前が示すとおり、もともとはたった4haの土地で修道院のミサ用に細々と作られていたワインが評判となり、市場に出回り人気を博すようになった、そんなエピソードが残されています。
ちょうど「シャトー・デスミライユ」の辺りから、北へ向かって始まる「プラトー・ド・カントナック(カントナックの台地)」。その上り坂のところに、周りが蔦で覆われて格付け4級の「プリューレ・リシーヌ」のシャトーは建っています。「プリューレ・リシーヌ」のブドウ畑は、大部分が「カントナックの台地」の上の、ギュンツ氷期の小石が多く堆積する砂利質の土壌のところにあり、合計で約「70ha」です。栽培品種の比率は、約50%のカベルネ・ソーヴィ二ヨン種、42%のメルロー種、6%のプティ・ヴェルド種、2%のカベルネ・フラン種となっています。
「プリューレ・リシーヌ」では、1998年までは、有名な醸造コンサルタントの“ミッシェル・ロラン”が一人でコンサルタントを行っていました。さらに1999年からは、“ステファン・デュルノンクール”も招聘され、非常に豪華なメンバーがこのシャトーのコンサルタントとして関わっていたのです。しかし、2001年のヴィンテージを最後に、“ミッシェル・ロラン”は去り、現在は“ステファン・デュルノンクール”だけがコンサルタントを行っています。(シャトーの方のお話によると、“ミッシェル・ロラン”は余りにも多忙すぎるため、シャトーにはほとんど来れなかったのだそうです。それに対して、現コンサルタントの“ステファン”は、頻繁にシャトーに足を運んでブドウ畑の管理やワインの熟成中の試飲などを行っていたため、彼に一任することを決定したのだとか・・)
“ステファン・デュルノンクール”がコンサルタントを担当するようになってから、様々な改革が行われました。例えば、それまでは手摘みで収穫されたブドウはトラクターで運んでいたのですが、これは容量の小さいカジェットで運ぶように変更されたのです。収穫には150~200人の方が参加します。そのうちの130人ほどが、選果をしながら、手摘みで収穫を行い、ブドウをカジェットに入れていきます。カジェットごと醸造所に運ばれて来たブドウは、バイブレーター式の選果台を使って、除梗前と除梗後の2回の選果が行われます。
その後、破砕を行ってから9基のステンレスタンクと12基のコンクリートタンクに運ばれ、発酵前に12~13℃での低温マセレーションを1週間ほど行います。続いて、29度~30℃でのアルコール発酵を行った後に、果皮浸漬を行います。低温マセレーションから果皮浸漬まで、タンクによって変わってきますが、大体25~32日間ほどの時間を掛けているそうです。
その後、約18ヶ月間の樽熟成に入るのですが、樽熟成の最初の6ヶ月間は澱引きをせず、澱を樽の中に残したまま熟成を行う「シュール・リー」と、樽の底に溜まっている澱を攪拌させる「バトナージュ」が採用されました。これらの手法を採用することによって、酵母の死骸から旨味成分がワインに溶け出して、ワインがより複雑性を帯び、またコクが出るのだそうです。ただし、この手法だと、従来は澱引きの際に空気に触れることにより抑えられていたワインの還元反応が強くなってしまうケースが多いため、定期的に樽内のワインに酸素を供給する“ミクロビュラージュ”を行うことにより、バランスを保っているのだとのことです。
バトナージュは、樽熟成の最初の6ヶ月間には1週間に2回行い、ミクロビュラージュは、樽熟成中に少ない場合で3回、多い場合は8回ほど行うとか。“ステファン”がシャトーまで来て、すべての樽を定期的に試飲しながら、このような回数を決定していくのだそうです。
色調は深みのあるルビー色、ブラックベリー、ダークチェリー、土、仄かな樽のロースト香が非常に艶めかしく立ち上がり、口に含みますと絹のような滑らかな舌触り、よく熟したベリーの果実味、幾分かふくよかな「マルゴー」ワインといった佇まいでございます。2009年ヴィンテージの秀逸な作柄もあいまって一つ上の贅沢感が味わえると思います。
今月のマリアージュのお相手は「ブルターニュ産 仔牛肉とリ・ド・ヴォーのソテー トリュフ風味」をおすすめします。フランスは「ブルターニュ」産の仔牛とリドヴォをソテーし、フォンドヴォと生クリームを合わせたモノをソースに、仕上げに贅沢にトリュフをトッピング致しました。淡白ですが味わいのある、仔牛肉と濃厚なリドヴォは抜群の相性で、トリュフの豊かな香りが一つ上の高みへ導いてくれているようです。まろやかで豊か、それでいて、芯のある「マルゴー」ワイン「シャトー・プリューレ・リシーヌ2009年」とは最高のマリアージュでございます。是非、お楽しみくださいませ!!!。

(2014.9.01[MON])

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