「 京鴨とフォワグラの取り合わせ & ニュイ サン‐ジョルジュ 」

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
NUITS ST-GEORGES.Les Vignes Rondes (Confuron Cotetidot) '04 2,500 (2,888)
ニュイ サン ジョルジュ レ ヴィニュ ロンド (コンフュロン コトティッド)
“コンフュロン”家は、「ヴォーヌ・ロマネ」村で6世代にわたって続いています、当地で最も古い生産者の一つです。現当主の“ジャック”氏が醸造学のディプロムを取得し、エノロジストでもある息子“ジャン=ピエール”と“イヴ”兄弟とともに運営する少量生産の家族経営ワイナリーで、現在では「ヴォーヌ・ロマネ」村、「ニュイ・サン・ジョルジュ」村、「ジュブレ・シャンベルタン」村を中心に、4つのグラン・クリュ(特級畑)を含む12haの畑を所有しています。若い後継者、“ジャン・ピエール”と“イヴ”兄弟は、同世代の醸造家の中で最も才能豊かといわれ、特に弟の“イヴ”は、1996年から「ポマール」村の名門「ドメーヌ・ド・クルセル」の醸造責任者も務めています。そうしたこともあり、このドメーヌのワインのクオリティ、そしてそれにともなう評価もうなぎ登りとなっています。ブドウの樹齢は平均で60年以上を数える古樹が中心、今回ご紹介の「ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ヴィニュ・ロンド」は80年以上の超ヴィエーユ・ヴィーニュとなっています。それに、厳しいまでの選別による低収量(1ha当たりの生産量は30hl以下)。さらに収穫は極上ピノ・ノワール種を各アペラシオンでほとんど最後になるなど、徹底的に完熟(その熟度はドメーヌ・ロマネ・コンティ並みといわれています)させて産み出されるワインは、ブルゴーニュでよく見られるシャプタリザシオン(補糖)も不要で、非常に色が濃く香りも華やかな、まさに「コート・ド・ニュイ」の特徴に溢れています。
上記の樹齢も大きなポイントのひとつですが、ドメーヌ最大の特徴はそのつくりにあります。アルコール発酵の前に「MPF」(マセラシオン・プレフェルマンテール・ア・フロワ、日本語訳は低温浸漬です。1週間弱、摂氏10度以下の低温状態のぶどう果汁に果皮と果梗を漬け込み、色素、構成要素の十二分な抽出を図る方法)をおこなうことにあります。これは「レバノン」生まれの、醸造コンサルタントであると同時に農業学者の肩書きをもつ“ギィ・アカ”とのコラボレーションからあみだした技法です。“アカ”は1970年代半ば「コート=ドール」の外れにラボを構え、40を数えるドメーヌにアドヴァイスをおこない、1980年代を通じて多くの「ブルゴーニュ」のつくり手に影響を与えた人物です。“アカ”というと、このつくりの面だけで語られることが多いのですが、主張は、『申し分ないテロワールに、健康なぶどう樹、そこから完熟した果実を得る』、といういたってシンプルなものです。畑においては、ぶどうそのものの生理学的熟成を目指し、植え付けもヘクタールあたり1万本以上の密植。と言ってもことは簡単ではなく、南仏のような暑い産地においては密植の度合いは弱く、寒冷な地では強い密植が望ましいと説き、「コート=ドール」では1万2500本が理想と提唱するなど、つくり以外、ことに栽培の面において、検証から得られたさまざまなデータ、技法をドメーヌに提供してきました。(現在“アカ”は「ブルゴーニュ」を離れ、「ロワール」地方で活動しているとか)
ドメーヌでは1977年から“アカ”のコンサルを受け(現在でもその基本的な手法に変化はないが、1990年代の初めから直接の指導は受けていない)、ワインを生んできました。ヘクタールあたり平均で30ヘクトリットル前後と収量を抑えたぶどうは、除梗は一切おこなわず、加えて破砕もせずにMPFの後、摂氏30度をピークに3週間以上かけてのアルコール発酵となりますが、その際ピジャージュは十分におこなわれます。新樽の割合は5分の1から4分の1で、アペラシオン、ヴィンテージで異なりますが、18ヵ月から22ヵ月間の樽熟成、新樽の使用率よりも樽材にこだわり、通常2年のところ3年間乾燥させた樽を使用。それにより、タンニンを始めとする溶出する成分が穏やかになり減少するという長期乾燥を経たオークの特長を利用しています。そしてコラージュ、フィルトラシヨンともになしで瓶詰めされます。
そんな確固たる信念から産まれるワインは、熱狂的ともいえる愛好家、そして評論家の支持を獲得。特に地元最高ガイド誌「レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス(旧クラスマン)」は、2012年版におきまして、あの「ドメーヌ・ロマネ・コンティ」「ルロワ」と同格付の頂点三ツ星★★★を与えているほどです。!ついに「ブルゴーニュ」最高峰の仲間入りを果たしました。“ロバート・パーカーJr”氏への試飲も一切断っている、パーカー・ポイントのつかないドメーヌとしても知られています!
生み出されるワインの色調は深みのあるガーネット色、ピノ・ノワール種独特の赤系の果実にスパイス、ヴァイオレット、紅茶の葉や鉄、口に含みますと華やかで存在感のある凝縮した果実味、まろやかなタンニンが感じられ、ミネラルが味わいの奥行を示しております、10年の熟成がもたらす優雅なたたずまいは見事でございます。
今月のマリアージュのお相手には「京鴨とフォワグラの取り合わせ ミックスベリーソース」をおすすめします。ローストされた京都は与謝野町の鴨とフォアグラのソテーが一つのお皿に贅沢に盛り込まれ、いろいろなフレッシュベリーでソースをご用意いたしました。旨み十分な鴨とフォアグラに透明感のあるベリーのフレッシュ感がたまりません。「ヴォーヌ・ロマネ」村と地続きの丘に位置する「レ・ヴィニュ・ロンド」、エレガントな赤系果実のニュアンスと「ニュイ・サン・ジョルジュ」村のどっしりとしたミネラル感を併せ持ち、見事なマリアージュとなりました。是非、お楽しみ下さいませ!!!。
(2014.03.3[MON])