「 山鳩のロースト & ポマール 」

★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ
POMMARD.Les Pezerolles (Chateau de Puligny Montrachet) '08 2,300 (2,657)
ポマール レ ペズロール (シャトー ド ピュリニー モンラッシェ)
「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」は17世紀に建てられた城館であり、“ナポレオン”帝政期には当時「ボーヌ」市長であった“ジャン・バティスト・デスドゥアール”が所有し、城館を修復。1950年代からブドウ栽培家であり詩人でもあった“ロラン・テヴナン”によって、シャトーのワインは名声を誇りました。
その後、「シャブリ」の「ドメーヌ・ラロッシュ」の手に渡り、さらに金融機関の所有となって、2002年にシャトーの支配人として抜擢されたのが、「ヴォルネイ」の「ドメーヌ・ド・モンティーユ」の長男、“エティエンヌ・ド・モンティーユ”です。「ヴォルネイ」の「ドメーヌ・ド・モンティーユ」といえば、古典的ワインの銘醸家として名の知れたドメーヌで、映画「モンドヴィーノ」でも主役級で取り上げられたので、ご記憶の方も多いに違いありません。先代の“ユベール”は「ディジョン」での弁護士が本業。というのも1947年にドメーヌを相続した時、ブドウ畑の面積はわずか3haしかなかったのです。
その後、息子の“エティエンヌ”とともにブドウ畑を拡張し、1990年代には7haを超えるまでに広がりました。この“エティエンヌ”も「パリ」の「クーパース&ライブランド」(現「プライスウォーターハウス・クーパース」)の会計士として働いていましたが、2001年に「ブルゴーニュ」に戻り、「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」の経営に就くと同時に、「ドメーヌ・ド・モンティーユ」の当主となりました。もっとも“エティエンヌ”自身は1983年からドメーヌのワイン造りに関与しており、1995年には実質的にドメーヌの主導権を握っておりました、“エティエンヌ”はブドウ畑をビオロジック、そしてビオディナミに転換し、ワインの質を劇的に向上。傾きかけていたシャトーの名声復活をみごと成し遂げたのです。
そして2012年にとうとう、“ド・モンティーユ”家がオーナーの金融機関からこの由緒正しきシャトーを購入することに成功したのです。シャトーは22ha、21のアペラシオンを所有しますが、このうち特級「モンラッシェ」と「バタール・モンラッシェ」は「ドメーヌ・ドゥジェニー」の“フランソワ・ピノー”(「ボルドー」の「シャトー・ラトゥール」のオーナーさんです)に転売されました。それ以外の上位レンジにある、特級「シュヴァリエ・モンラッシェ」、「ムルソー・ペリエール」、「ポマール・レ・クラ」、「ポマール・レ・ペズロール」は「ドメーヌ・ド・モンティーユ」として生産する一方、下位アペラシオンは「ド・モンティーユ」のネゴスものとしてリリースし、中間帯のアイテムを「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」として残す予定だとか・・・。 なお、「ド・モンティーユ」と「デュジャック」が2006年に「ドメーヌ・トマ・モワイヤール」を買収したのと同時に、「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」も「トマ・モワイヤール」が「プレモー」村に所有していたモノポールの畑、「ニュイ・サン・ジョルジュ・クロ・デ・グランド・ヴィーニュ」(2.12ha)を取得。このうち0.5haの区画から造られる白ワインが、2010年ヴィンテージよりリリースされています。
というわけで、今回のご紹介の「ポマール・レ・ペズロール2008年」のラベルにはオーナーになる前でしたので「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」が記載されています。「ポマール」村でもお隣「ボーヌ」村に近い位置で、「ポマール」村で1、2を争う一級畑「ゼプノ」に隣接しています。色調は驚くほど淡く、息をのみましたが、立ち込める芳醇な香りに一転素晴らしいワインと確信致しました、ベリーやカシスの熟れた果実香にほんのり大地の風味、口に含みますと「ポマール」らしいねっとりとした質感、まだ、少しタニックさもあり、それが余計に豊満なボディを引き立てているようです。時間と共に山桃やアセロラのような果実味が増し、飲み応え十分なワインに仕上がっております。
今月のマリアージュのお相手には「山鳩のロースト そのジュとザクロ風味の赤ワインソース」をおすすめします。お待たせいたしました、ジビエ第二弾はヤマバトのご用意です、ほんのり血の風味をまとった赤身肉は驚くほどジュシーで味わいのバランスが抜群です。ソースはザクロの爽やかな酸味をアクセントに「ポマール・レ・ペズロール2008年」とポルト酒、ヤマバトのフォンをベースにしたソースでお召し上がりください。『狩りの獲物には「ポマール」を』と言われるほど相性がいいと言われていますが、思っていた以上の素晴らしいマリアージュとなりました。是非、お楽しみ下さいませ!!!。
(2013.11.01[FRI])