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Author:うづらてい
京都木屋町のワインダイニングです。

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「 牛バラ肉の煮込み & グランジュ ヌーヴ ド フィジャック 」

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★お勧めグラスワインとお料理のマリアージュ

LA GRANGE NEUVE DE FIGEAC '05 (ST-Emilion) 2,300 (2,657)
ラ グランジュ ヌーヴ ド フィジャック (サンテミリオン)

 「ラ・グランジュ・ヌーヴ・ド・フィジャック」は、かの有名な「シャトー・フィジャック」のセカンドワインにあたります。栽培、醸造工程など、基本的に同様ということですので、「シャトー・フィジャック」からお話したいと思います。
「シャトー・フィジャック」のブドウ畑は、大きく分けて3つの区画から構成されています。1つ目は「Les Moulins(レ・ムーラン、風車の意)」で、海抜36m、表土の砂利の層は約7m。主にカベルネ・ソーヴィニヨン種とカベルネ・フラン種が植えられています。2つ目は、シャトーの前方にある「La Terrasse(ラ・テラス)」と呼ばれる区画。海抜は36mと高いのですが、砂利の層は6mと一番薄く、他の2つの区画に比べて粘土が多く含まれています。この区画には、粘土が多いところにはメルロー種を、粘土が少ないところにはカベルネ・ソーヴィニヨン種を植えているそうです。3つ目は、「シャトー・シュヴァル・ブラン」との間にある「L 'Enfer(レンフエール、直訳すると“地獄”の意)」と呼ばれる区画です。ここは海抜38m、砂利の層は10m以上にもおよびます。夏場になるとその砂利が太陽熱を貯めて放射するため、畑の中が灼熱地獄のように暑くなるということから、こんな物騒な名前が付けられたのだとか。ここは主にカベルネ・ソーヴィニヨン種とカベルネ・フラン種の区画となっています。さらに、「シャトー・フィジャック」のブドウ畑で特筆すべきことは、“シャトーの周りに林がある”ということです。「サンテミリオン」や「メドック」ではこういった林は少なく、遠くまで見渡すことができることが普通です。ガイドブックなどでもよく見られる「見渡す限りのブドウ畑」というような風景が広がっていることが多いのです。醸造責任者の方の話では、この林は突発的に吹く強風からブドウ畑を守ってくれるだけでなく、風によって運ばれてくるウィルスを遮断するため、ブドウ畑を伝染性の病気からも守ってくれる、とても大事な役割を担ってくれているのです。
手摘みで収穫されたブドウは、容量の小さいカジェットに入れられてシャトーまで運ばれていきます。醸造所では、まずバイブレーター式の選果台で1回目の選果を行い、除梗後にもう一度選果を繰り返します。その後、10基のフレンチオーク製タンクに入れて、約15~17℃で約4日間の低温マセレーションを行い(通常、この工程は4~5℃で行われるため、厳密に言えば別の作業となります)、アルコール発酵へと進みます。アルコール発酵の温度は約30℃、果汁を分離してしまった粕帽にシャワーのようにかけることにより果汁を循環させる“ルモンタージュ”を4時間ごとに行っています。それ以外にも、色素とタンニンの抽出を図るため、タンクの上から粕帽を果汁に漬け込む“ピジャージュ”も行います。約3週間のアルコール発酵、果皮浸漬を行った後、グランヴァンに使用するであろうワインは樽で、セカンドへ回すワインはタンクでマロラクティック発酵を行います。1月からブレンドを開始し、4月上旬のプリムールまでにブレンドを行います。その後も3ヶ月に1度の澱引き、殺菌された卵白によるコラージュを行いながら、合計18ヶ月の熟成の後、“最終ブレンド”へと進みます。最終ブレンドとは、いくつかの樽会社の樽を使用していることから、それぞれワインの味や香りが異なってしまうことを防ぐため、品質を均一化するために行われます。これをすることによって、味と香りがより複雑に仕上がることになるのです。最後の瓶詰め作業は、約7m地下のカーブがある階に備え付けられている、自社製の瓶詰め機で行います。このような配置にすることで、地上階にあるステンレスタンクでの最終ブレンドが終わると、ポンプを使わずに、その重量で瓶詰めの機械まで移動することができるのです。
「サンテミリオン」地区では10年に1度格付けを見直すのですが、先回の見直しの際に、現状の「1級B」から「1級A」への格上げの申請を行ったそうです。それに対するフランス原産地呼称国立研究所からの返信は、「価格が1級Aに及ばないため、申請を却下する」という内容でした。格付けが上がれば自然と価格も上昇するものですから、少し不可解な言い分のような・・・消費者にとっては限りなく「1級A」に近いワインを楽しむことが出来るということでしょうか・・・。
 「ラ・グランジュ・ヌーヴ・ド・フィジャック」は1945年から続くセカンドワインで、ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニヨン種35%、メルロー種30%、カベルネ・フラン種35%となっております。色調は以外と透明感のあるガーネット色、芳醇な香りには確かな素性の良さを感じ取れます、モカ、タバコ、少しクローブのようなスパイス香・・・、口に含みますと、やはり2005年ヴィンテージのイメージ、凝縮された果実味と丸みのあるどっしりとしたタンニンが期待以上の満足感をもたらしてくれます。「サンテミリオン」では珍しく比較的高い比率で加えられるカベルネ・ソーヴィニヨン種の若さからくる青さのようなものは微塵も感じさせません、うまく熟しております。
今月のマリアージュのお相手には「大山黒牛バラ肉の赤ワイン煮込み」をおすすめします。鳥取県は大山の湧き水で健全に育てられた黒毛和牛、その牛バラ肉を贅沢にメルロー種100%の「ボルドー」ワインで約8時間かけて煮込ませていただきました。シェフが手間隙を十分にかけ凝縮された肉の旨みは申し分ない味わいで、今月も極上のひと皿となりました。是非、「サンテミリオン」を代表するシャトーの片鱗を感じながら、マリアージュをお楽しみ下さいませ!!!。

(2013.2.1[THU])

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